クローン病を理解しよう

クローン病(CD)

執筆者:堀田 伸勝(消化器専門医・医学博士)

こんにちは、ジーケアの堀田です。

今日はクローン病に関して一緒に学んでいきたいと思います。

1. クローン病とは?

潰瘍性大腸炎と同じで未だ原因が不明で、長期間に渡り小腸や大腸を中心に炎症を起こし、粘膜がただれる特徴的な「縦走潰瘍(じゅうそうかいよう)」ができたり、腸の中が狭くなる「狭窄(きょうさく)」、お腹の中に膿がたまる「膿瘍(のうよう)」などを生じる病気です。またこのような状態は食道や胃などを含めた全ての消化管のどこにでも生じる可能性があります。

患者さんは10代後半から20代で病気を発症することが多いです。

クローン病も未だ完治することが難しい病気で、難病に指定されています。また潰瘍性大腸炎と同じで欧米で患者数が多い病気ですが、日本で患者さんの数が毎年増え続けており、現在日本では約4万人の患者さんがいらっしゃいます。

難病センターより引用:http://www.nanbyou.or.jp/entry/81

2. 原因は?

はっきりとした原因は未だ不明で、以下の原因が疑われています。

①遺伝子

②腸内細菌の異常

③食事

④腸の免疫システムの異常

3. 症状は?

腹痛、下痢の症状が多いです。特にクローン病の腹痛はお腹の右寄りの下側に感じることが多いです。これは特徴的な病変が大腸と小腸が繋がる部位に生じることが多く、その場所に一致するためです。また血便(便に血液が混じる)、肛門近くに症状を自覚することも多いです。肛門近くの症状では、痛みや膿が皮膚から出てくることがあります。

また時々お腹や肛門の症状ではなく、体重が減る、発熱という症状が病気が診断されるきっかけになることもあります。さらに小腸や大腸などの消化管だけでなく、結膜炎などの眼の病気を生じたり、関節炎として膝や腰痛を自覚したりすることもあります。このようにクローン病以外の病気でも生じるような症状が出ることがありますので、初めてクローン病になった時には診断が難しいことが少なくありません。

4. 検査について

血液検査で炎症の程度を調べたり、CT検査等でお腹の中の膿があるかどうか調べたり、胃カメラや大腸カメラなどで実際に粘膜がただれた状態になっている潰瘍を確認したり、そのような潰瘍の粘膜を取ってくること(生検検査)で採取した組織を病理検査に提出し、顕微鏡で詳しく調べることで確定した診断がつきます。

5. 治療法

主に飲み薬、注射、点滴などで治療をします。また膿瘍や腸の狭窄で食べ物が通らなくなってしまった場合などでは、手術で腸の一部を切除する必要があります。私も実際の医療現場で、強い狭窄による腸閉塞(腸の通りが悪くなり食べ物や便が詰まってしまうこと)や膿瘍による発熱などの症状により緊急手術となった患者さんを担当させて頂いたことがあります。

6. クローン病の予後(診断された後の状態)

クローン病の患者さんは、診断されてから10年の間で約半数の患者さんが手術を受ける状態になってしまうといわれています。さらに一生の間で見ると、手術を1度でも必要となる方は約80%にも及びます。このようにクローン病と診断を受けると手術という大きな治療が必要になってしまうことが珍しくありません。

さらにクローン病には肛門部に潰瘍や痔瘻(じろう)などの病変が生じることも珍しくありません。そのような患者さんで数年が経過すると肛門部に癌ができる危険性も高くなります。そのため前述の手術と合わせて飲み薬や点滴などの治療をしっかりと継続して、腸の炎症を長い間しっかりと抑えて安定させていくことが大切です。

適切な治療を継続していくことでクローン病の患者さんは、クローン病と診断されていない他の一般の方と比較して寿命自体は大きな差がないことも知られています。

私たちジーケアは、クローン病と診断された患者さんやご家族などの方々が主治医の先生と良好な関係を築き、適切な治療を継続して頂けるようにサポートをしていきたいと考えています。ぜひジーケアのコミュニティを活用して、日常生活や食事、治療法などに関する疑問を解消していきましょう。

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堀田 伸勝

医師、医学博士。専門は潰瘍性大腸炎、クローン病など炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、などの消化器内科。日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会内視鏡専門医。2015年より米国ミシガン大学研究員。2018年7月より帰国し、現在都内病院にて診療に従事。

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