潰瘍性大腸炎/クローン病(IBD)患者さんが自主的に制限している食べ物は?

IBDと食事

執筆: 杉原 康平(栄養学博士、管理栄養士)
監修: 宮﨑 拓郎(公衆衛生学修士(栄養科学)、米国管理栄養士)

こんにちは、ジーケアの杉原です。

今回は、Clinical Nutrition ESPENという雑誌に発表された潰瘍性大腸炎/クローン病(IBD)患者さんが自主的に回避している食品を調べた論文をご紹介します。

ある特定の食事が、消化器症状に影響を与えることは、ほとんどのIBD患者さんが経験しているのではないでしょうか?

例えば、辛い物を食べた後にお腹が痛くなったり、乳製品を食べた後に下痢になったりなど、IBD患者さんだけでなく、健康な方でも起きる可能性があると思います。

今回ご紹介する論文は、オーストラリアで行われた研究で、外来のIBD患者さんの食事調査をして、患者さんが自主的に回避している食品やその理由、IBDに関する情報をどこから入手しているかなどを調べた前向きな横断研究になります。

合計で117人のIBD患者さんを調査した結果、90%の患者さんが特定の食品を避けていることが明らかになり、特に再燃期の患者さんで特定の食品を避けている人が多いことが分かりました。

避けている食品で多かったものが、辛い食べ物、ラクトースを含む食品(乳製品)、揚げ物・脂肪が多い食べ物などで、腹痛や下痢、消化管の動きが活発になるのを抑制するために避けている人が多いことが示されました。

また、食事に関してどの情報源を患者さんが信頼しているのかを評価した結果、活動期の患者さんはオンライン上の情報を最も信頼しており、寛解期の患者さんは消化器専門医や栄養士からの情報を信頼していることがわかりました。

特に活動期の患者さんで消化器専門医や栄養士からの情報の信頼性が高くなかったことから、より科学的根拠に基づいた栄養指導が今後必要になるだろうと筆者らは述べています。

ネットやSNSが普及した現代では、病気に関する知識を簡単に入手することができます。

便利な世の中になった反面、不確かな情報が広がることもあり、時には病気にとって悪影響を与えるものを推奨するものもあります。

オンラインで情報を得て病気のことを学ぶことは重要ですが、信頼性のない情報に振り回されないよう注意しましょう。

ジーケアではIBDを専門とする各分野の医療関係者が協力してコミュニティを運営しており、科学的根拠に基づいた信頼性の高い情報を提供しています。

患者さんにとって有意義な情報源、またコミュニティとなるよう日々努力していきますので、今後ともジーケアをよろしくお願いします。

IBDと食事に関する研究はどんどん行われていますので、引き続きIBD患者オンラインコミュニティ『Gコミュニティ』内で情報をアップデートしていきたいと思います。匿名・無料で登録でき、いつでも気軽に専門家や他の患者に質問できますので、お気軽にご利用ください。

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Gコミュニティは、IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)患者・その家族らを対象とした、医療の専門家や患者さんにいつでも気軽に相談・質問できるオンラインコミュニティです。定期的なZoom交流会・チャット交流会、専門家からの情報提供、豊富な患者体験談が特徴です。

Gコミュニティは、IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)患者・その家族らを対象とした、医療の専門家(消化器専門医、米国管理栄養士など)や患者さんにいつでも気軽に相談・質問できるオンラインコミュニティです。定期的なZoom交流会・チャット交流会、専門家からの情報提供、豊富な患者体験談が特徴です。登録ユーザーは2020年6月末時点で830名を超えました。匿名・無料ですので、お気軽にご利用ください☆

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参考文献

Bergeron F, Bouin M, D’Aoust L et al. Food avoidance in patients with inflammatory bowel disease: What, when and who?. Clin Nutr. 2018 Jun;37(3):884-889.

Food avoidance in patients with inflammatory bowel disease: What, when and who? - PubMed
Food avoidance is common among patients with inflammatory bowel diseases, and most particularly in those with stricturing Crohn's disease. Specificities in avoi...

 

杉原康平

管理栄養士(日本)、栄養学博士。自身のクローン病を機に、栄養学の興味を持ち、管理栄養士の道を目指す。よりIBDを専門に勉強したい、また栄養学的な立場からIBD治療に貢献したいと思い、栄養学の大学院に進学する。栄養学博士を取得後、米国ミシガン大学に研究留学し、食事とIBDの関係を明らかにする研究に従事。

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